安いところでアートメイクを受けたら失敗した
アートメイクってどこで受けても同じじゃないの?
最近では手軽に受けられるようになったアートメイク。
「どこで受けても変わらないならなるべく安いところで受けたい」と思う方もいますよね。
しかし、そのアートメイククリニック、本当に安心して受けられますか?
その安さの理由、実は「医師免許を保有していない違法サロン」かもしれません。
日本のアートメイクは医師免許を保有している人、または医師の指示を受けた看護師しか行えないんです。
法律で決められているものの、残念ながらいまだに違法サロンが存在しています。もしかしたらあなたも知らないうちに、違法サロンで施術を受けていたかもしれません。
そんな被害を避けるべく、この記事ではアートメイクに医師免許が必要な理由と、施術する前に知るべき3つの注意点について詳しく解説していきます!
アートメイクに医師免許は必要?
結論から言うと、日本で行うアートメイクは医師免許が必要です。
アートメイクは皮膚に針を刺してインクを注入していくもので、人体に危険をもたらす可能性があるとされています。
これを日本では医療行為とみなし、医師免許を持っていないとアートメイクを行えないのです。
詳しくは医師法第17条において定められています。
医師、歯科医師、看護師等の免許を有さない者による医業(歯科医業を含む。以下同じ。)は、医師法第17条、歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条その他の関係法規によって禁止されている。ここにいう「医業」とは、当該行為を行うに当たり、医師の医学的判断及び技術をもってするのでなければ人体に危害を及ぼし、又は危害を及ぼすおそれのある行為(医行為)を、反復継続する意思をもって行うことであると解している。
引用元:厚生労働省
さらに、医師でなければ許されていない行為を繰り返し行う反復継続を行うことも医師法に反します。
つまり、クリニックやサロンにおいて医療行為であるアートメイクを繰り返し提供するには、医師免許を持っていないと法律違反となるのです。
ただし、例外として医師免許を持っていなくても施術が行える場合があります。
それは、医師が常駐するクリニックで看護師がアートメイクをすることです。
法律では、医師または医師の指示のもと、看護師が施術を行うことが許されています。
医師がいなくても看護師がいればアートメイクができるというわけではありません。
何かあった時にすぐ対処できるよう、医師はクリニックやサロンに常駐していなければならず、医師がいる時でないと、看護師も施術ができないのです。
海外では、医師免許なしでのアートメイクを許可しているところもあります。
しかし、無免許がゆえに悪質なアートメイクサロンが蔓延しており、眉毛のアートメイクに失敗して裁判沙汰になったことも。
日本でのアートメイクを考えている方が大半かと思いますが、必ず医師が常駐していること、医師免許や看護師の資格を持つ人が施術をしてくれることを確認しましょう。
アートメイクに医師免許が必要な理由とは
アートメイクを行うには医師免許が必要です。
しかし、以前は医師免許がなくても施術ができたのに、なぜ今は禁止されているのでしょう。
ここではそのような疑問を解決するために、医師免許が必要である理由を3つご説明します。
表皮を傷つける行為であるため
先ほどお伝えした通り、アートメイクは皮膚の表面にある表皮に針を入れ、インクを肌に注入する医療行為です。
表皮は0.02mm〜0.04mmほどの薄さで、ここに色を入れていくには肌やアートメイクの知識と、それに伴う技術がなければ難しいでしょう。
知識も技術もなく、医師免許や看護師資格のない人がアートメイクをやると、誤って真皮層にまでインクを入れてしまう恐れがあります。
真皮層は肌の深部であり、表皮と違い肌のターンオーバーがありません。
なので、一度インクを真皮層に入れてしまうと、刺青と同じく後々消えていくことはないのです。
まだアートメイクに医師法が適用されていない頃は、このようなミスが多発し、クリニック側と施術を受けられた方のトラブルが絶えませんでした。
失敗したところを想像するだけで怖い…
このようなミスを防ぐために、医師免許を持つ人、または医師免許を持つ人の指示のもとで施術しなければならないという法律ができたのです。
麻酔を打つにも医師免許がいるため
アートメイクの施術をするときは、麻酔を使うことがあります。
実は、麻酔を使うことも医療行為にあたります。
そして、同じく医師法にて医師の指示のもとで麻酔を行わなければならないと決められているのです。
麻酔行為は医行為であるので医師、歯科医師、看護婦、准看護婦または歯科衛生士でない者が、医師又は歯科医師の指示の下に、業として麻酔行為の全課程に従事することは、医師法、歯科医師法、保健婦助産婦看護婦法又は歯科衛生士法に違反するものと解される。
引用元:厚生労働省
麻酔は施術を受ける方の体質や痛み具合に合わせて種類を変えたり、適正な量を使用したりしなくてはなりません。
麻酔に関する知識がないまま行われると、体調が悪化し、体に力が入らなくなるなんてことも。
このような事態を防ぐために、麻酔も医師免許を持つ本人または医師の指示のもとで看護師が行わなければならないのです。
アートメイクマシンやインクを購入するため
アートメイクで使用する針やインク、マシンは医療機器にあたり、医師免許がなければ購入できません。
そして、医療機器は看護師国家資格を持つ人が購入することも許されていないのです。
看護師さんでも購入できないのね!
もし医師免許がなく、医師が常駐していないクリニックやサロンでアートメイクを行っているとしたら、医療器具を違法に入手している可能性があります。
違法で入手された器具は、安全面に欠けるかもしれません。
アートメイクで使用する針やマシンは、ぶつけたりして少しでも欠けている部分があると、施術をした時に必要以上に肌を傷つけます。
また、劣悪な環境下では使い終わったあと消毒をしている保証がなく、感染症を招く恐れもあるんです。
アートメイクにおいて、医師免許があることがいかに重要かがよくわかりますね。
アートメイクの施術前に知るべき3つの注意点
アートメイクを受けるには、3つのチェックポイントを抑えて自分で確認すれば、悪質なアートメイククリニックやサロンを避けることができます。
絶対にアートメイクを失敗したくない!
そんな方は、これから説明する注意点を心に留め、慎重にアートメイククリニック選びをしてくださいね。
医師が常駐しているか確認する
この記事でも繰り返しお伝えしていますが、アートメイクのクリニックやサロンを選ぶ際、必ず医師が常駐しているかを確認しましょう。
国民生活センターによると、無資格でアートメイクを行っていたサロンで施術を受けた方からの被害報告が後をたたないとのこと。
アートメイクは人の皮膚に針等で色素を入れるものであり、危険性の高い行為であるため、日本では医師免許を有しない者が業として行えば医師法違反にあたるとされている(平成13年11月8日医政医発第105号)。PIO-NETにはアートメイクに関する危害が2006年からの5年で121件寄せられており、その95%は医師免許を有しない者が行った施術によると思われる事例である。
引用元:国民生活センター
医師法により取締りが厳しくなったことで、医師免許なしで営業するアートメイクサロンは減少しています。しかし、それでも法律を潜り抜けて営業しようとするサロンもあるのは事実。
特に個人経営のサロンや美容院での被害が相次いでいます。
アートメイクを受ける際は、必ず医師が常駐しているクリニックやサロンを選びましょう。
料金体系を把握しておく
アートメイクのクリニックやサロンは、それぞれ料金体系が異なります。
ですが、1つ言えることは、医師免許なく営業しているサロンは、異様に料金体系を低くして提供していることが多いということ。
眉毛のアートメイクを例に挙げてみると、医師が常駐しているクリニックでの眉毛アートメイクの相場は、簡単な施術方法でも1回で約6万円〜と言われています。
違法でアートメイクを提供しているところでは、1回の眉毛アートメイクで約2万円前後としているところもあるのです。
安い料金で受けられることを売りにし、「医者と提携しているサロンだから安心して受けられる」と謳っていることもあるのだとか。
アートメイクサロンは医者と提携しているだけでは提供できませんので騙されないよう注意してくだいさね。
安さに飛びつかないようにしなくちゃね。
カウンセリングやアフター保証があるところを選ぶ
医師免許保有者のいるアートメイククリニックやサロンでは、施術前のカウンセリングと施術後のアフターカウンセリング、日数が経過してからのアフター保証制度が充実しています。
ちゃんとしたところでは、事前にアートメイクを受ける方の不安や疑問を取り除き、施術に関する流れや説明を丁寧に行います。
カウンセリング時に主に話す内容は、
- 色や形などのデザインについて
- アートメイクが失敗した時の対応について
- 施術前後や当日の生活における注意点について
以上のことを双方で確認を取りながらカウンセリングをしていきます。
中でも、アートメイクが失敗した時に、クリニック側がどのような対応をとってくれるのかは、必ず確認しておきましょう。
施術をした当日に違和感がなくても、時間が経ってから施術部分や体調に違和感を覚えることも考えられます。
万が一そうなった場合、事前にクリニックにアフター保証があれば、修正してもらえたり返金してもらえたりするので安心です。
アートメイクは一度入れると、除去するにもお金と時間がかかるもの。
そのため、事前にしっかり確認しておくことは、失敗を防ぐことにも繋がるのです。
まとめ
アートメイクにおいて医師免許が必要な3つの理由は、
- 表皮を傷つける医療行為であるため
- 麻酔を打つにも医師免許がいるため
- アートメイクマシンやインクを購入するため
以上のことが挙げられます。
また、アートメイクの施術前に知るべき注意点は、
- 医師が常駐しているか確認する
- 料金体系を把握しておく
- カウンセリングやアフター保証があるところを選ぶ
以上の3つです。
「安いから」「なかなか予約が取れないから」という理由で違法サロンでアートメイクを行うと、失敗して後悔するかもしれません。
アートメイククリニックやサロンを選ぶときは、医師免許を持つ安心安全なところで受けられるよう、慎重に選びましょう。
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