「まつ毛パーマって実は違法らしい…」
美容意識が高い女子の間では、そんな噂が流れています。
そう聞いてしまうと、「興味あるけど違法ならやらないほうがいいかも…」「もう施術受けちゃったんだけど…」と不安になる方が多いかもしれません。
しかし、安心して下さい。
まつ毛パーマの施術には確かに違法な施術は存在しますが、多くは合法的に行われているものです。
今回は、「まつ毛パーマが違法」と言われる理由や、どのように施術を受ければ合法なのかを解説していきます。
施術に使う「パーマ液」が明暗を分ける
まつ毛パーマが合法か違法かを分ける要因の1つに、施術に使ういわゆる「パーマ液」が挙げられます。
施術を受ける側にとって、使用しているのが違法のパーマ液か否か見分けるのは難しいもの。
合法的にまつ毛パーマをしてもらうためにも、施術を受けるサロンではどんな薬剤を使っているのか、事前に確認するようにしましょう。
髪の毛用のパーマ液を使うのは違法!
「髪の毛のパーマとまつ毛パーマは使っている薬剤が同じ」という噂を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。
実はこの、「髪の毛用のパーマ剤を使う」ということが違法なのです。
パーマ剤の使用上の注意には、「毛髪以外のパーマに使用しないこと。眉毛・まつ毛などに使用すると薬剤が目に入って危険なため」という旨が記載されています。
つまり、髪の毛用のパーマ剤をまつ毛に使うのは、本来の用途と離れた危険な方法ということ。
厚生労働省が再三に渡り、まつ毛パーマに毛髪用パーマ液を使用することが禁止であることを周知徹底しています。
違法のパーマ液を使った施術を受けると罰則はあるの?
もし、違法のパーマ液を用いた施術を受けてしまったなら、お客様も罰則の対象になるのでしょうか。
その答えは「NO」です。
万一悪徳な美容師に騙されて、毛髪用のパーマ剤でまつ毛パーマを行われてしまった場合でも、特にお客様側に賠償などを求められることはありません。
それどころか、悪徳な美容師側も特に罪に問われることはないのです。
「それでは誰が罰則を受ける対象なの?」と思いますよね。
それは、パーマ液を製造している「製造業者」、そして小売店などに販売する「販売業者」。
そもそも、まつ毛パーマに毛髪用パーマ剤を使うことを禁止しているのは「薬機法」という法律なのですが、この薬機法の規制を受けるのは製造業者、そして販売業者のみ。
特に施術者やお客様には法的責任は問われません。(とはいえ、もし発覚した場合は施術者の信用問題にはなると思われますが…)
「雑貨」扱いなら合法になるけど……
合法となる薬剤はどういったものなのか、気になるところですよね。
それは「雑貨」扱いのまつ毛パーマ剤。
「雑貨」とはどういうことかと言うと、これは法の死角を突いた方法とも言えるものです。
日本で認可されている、毛髪用のパーマ剤は「医薬部外品」です。
この「医薬部外品」のパーマ剤を使用すると違法になるため、海外から輸入したまつ毛パーマ剤を「まつ毛美容液」「まつ毛カール剤」などの名称を用いて「雑貨」扱いで販売し、使用します。
そうすると「医薬部外品」のパーマ剤を使っているわけではないので、製造業者・販売業者を含めて法に問われることはありません。
しかし、実はこの輸入したまつ毛パーマ剤は、毛髪用のパーマ剤とほとんど成分が同じもの。
法的な区分が異なるだけで、違法か合法かの別れ道となっているのです。
施術場所にも注目して
まつ毛パーマのために使用する薬剤の違いで、合法か違法か異なることがわかりました。
ただし、まつ毛パーマを合法的に行うルールはこれだけではありません。
美容師法では「美容師は、美容所以外で美容の業を行ってはならない」と定められています。
まつ毛パーマは「美容の業」に当たるため、もし「美容所」以外の場所で施術を行うなら違法ということになります。
「美容所」っていったいどんなところ?
「美容所」と言われてもピンと来ない方が多いのではないでしょうか。
これは、いわゆるサロンというだけでなく、国に「美容所」と登録されたサロンのこと。
まつ毛パーマやまつ毛エクステが流行し出したころ、無認可のサロンで知識や技術を持たない人が普通に施術を行っていた結果、まつ毛美容による健康被害やトラブルが多発してしまいました。
これを取り締まるべく、美容師法で「美容所登録していないサロンではまつ毛パーマの施術禁止です」というように、まつ毛パーマも美容の業に当たるという通告が出されています。
まつ毛パーマをするなら、安全のためにも美容所に登録されているサロンを選ぶようにしましょう。
とはいえ、美容師を持つ美容師の施術は必須!
先ほど紹介した美容師法の、「美容師は、美容所以外で美容の業を行ってはならない」という文言がまつ毛パーマにも適応される、ということから察することができるように、結局まつ毛パーマをするためには美容師の資格が必須です。
「美容の業」というのは金銭授受を伴わないものも指すため、もし無償で行ったとしても美容師でなければ違法になります。
美容師とよく似た資格に理容師がありますが、理容師はまつ毛パーマを行うことはできません。
あくまでも他人にまつ毛パーマの施術をするなら、美容師の資格が必須であるということです。
探して摘発される、というわけではありませんが、「自分でやるのが怖いから美容師免許を特に持っていない友達にまつ毛パーマしてもらった」という場合も違法です。
ちなみに、自分で自分のまつ毛をパーマする場合は、美容師でなくても自宅で行ったとしてもOKです。
美容師以外が施術する危険性
そもそも、どうしてまつ毛パーマが厳しく法規制されているかというと、施術後のトラブルの多さが原因の1つに挙げられるでしょう。
まつ毛パーマは、特に流行最初期は毛髪用のパーマ剤を使用した上に美容師免許のない人が平気で施術していたため、皮膚トラブルや眼球のトラブルが頻発していました。
それに「待った」をかけたのが、先ほども述べた厚生労働省からの通告です。
現在のまつ毛パーマは、流行しはじめた頃よりも危険性や法規制などが周知されてきたため、以前のように明らかに違法な形で施術されるケースは減ってきました。
それと同時に、しっかり研修を受けた美容師や、目元に使用しても比較的安全な薬剤(それを使った施術を「まつ毛カール」というように区別されることもあるようです)が多くなってきたこともあり、認可された美容所で美容師が施術を行うことが安心材料の1つとなるかもしれません。
逆に、専門知識がない人が行ったり、登録されていない美容所などで行ったりしている施術は、時代に即していない危険なものであると考えられます。
まとめ
今回は、まつ毛パーマの違法なパターンについて解説しました。
「せっかくなら違法にならないような施術にしたい」と、多くの方が思うでしょう。
法を犯さないようにするのはもちろんのことですが、それよりも覚えておいていただきたいのは安全性のこと。
薬事法に抵触しない薬剤を使っていても、それが毛髪用のパーマ剤と成分が変わらないものなら、結局違法のものと危険性は変わりません。
もしまつ毛パーマをするなら、目に優しい薬剤を使用しているサロンを選び、専門知識や技術がある美容師を指名すべきです。
健康被害は怖いですが、サロン選びをしっかり行うことでそのリスクを下げることができるでしょう。
正しい知識をつけてまつ毛パーマに臨みたいところですね!
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